死体じゃなんの値打ちも無え

ヲタク女子がボバ・フェットになったりDIYしたり

★女子大生がゴッサムナイトについて語るから聞いてくれPart3

だいぶ間が空いてしまいましたが

ゴッサムナイト」のレビューの続きです。

 

バットマン ゴッサムナイト スペシャル・エディション (2枚組) [DVD]

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Part1はこちら

Part2はこちら

 

今回はOVAの中の最終話、「デッドショット」

(制作 - マッドハウス / 監督 - Jong-Sik Nam)

このDVDの中で最もアメコミ感が溢れる画風となっています。

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そりゃそうだ、監督のJong-Sik Namは唯一アメリカのアニメのディレクターやってた人だからな(1990年頃にアメリカでやっていたHe-Man and the Masters of the Universeというアニメシリーズのディレクターをやっていたそうです)

 

He-Man and the Masters of the Universe [DVD] [Import]

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このお話のメインヴィランは言わずもがなデッドショットさんです。

彼はマフィアからゴードン警部の暗殺を依頼されます。

↓オファーを受けるデッドショットことフロイド・ロートン

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わお!ダンディ!こいつになら抱かれてもい(ry

すごいですよ!カクテルのオリーブに刺してあった飾りのピックを投げて飛んできた蜂を串刺しにしちゃう腕前!このデッドさんは銃だけじゃなくボーガンやダーツも上手いんだなぁ

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要はデッドショットからゴードン警部を守るためにバットマンが奮闘するお話なんですが

ゴードン警部って本当にヒロインですよねwww

 

ただしバットマンにとってスナイパーとの戦いには別の意味も含まれています。

ブルース・ウェインの両親殺害の凶器は銃、そしてバットマンは銃を使わない

謂わば宿命の対決なわけです。

デッドさんを捕まえたあと、ブルースがアルフレッドに言うセリフ

「自分はあの(両親を撃った)2発の銃弾を止めるために戦ってきたんだと思う」

いいオチだと思います。両親の死への恐怖は「バットマンビギンズ」でのスケアクロウラーズ・アル・グールとの戦いで克服しましたが銃に関しては触れられてなかったので着眼点も良い。両親の死に対して完全に吹っ切れれば時系列的にこのあとに続く「ダークナイト」、「ダークナイトライジング」の流れにも不自然はない、偶然とは言え良いシナリオになってます。

 

 

そう、たった一つのあやまちを除けば・・・

 

 

デッドショットは走る列車の貨物室から車に乗ったゴードンを狙撃しますがバットマンによって阻止されてしまいます。両者の戦いは走行する列車の屋根の上!まるで映画「スピード」のラストみたいだ!

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うわぁぁぁコート脱いだデッドさんだっさwwww

すみません、さっき抱かれてもいいって言ったの取り消してもいいですか?w

いや、原作に忠実なだけなんですけどね?

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でも外国人の監督が制作したとは言え仮にも日本のスタジオの作品なんだからもう少し日本人好みのデザインにできなかったのかい?

むしろアメリカでデザインされた最新のデッドショットさんは驚く程洗練されているよ?(ゲームだけど)

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無駄な装備がなくてリアルなプロフェッショナルって感じ。仮にも元軍人ですからね。でもトレードマークの赤と銀の配色と手甲の銃口はしっかり装着してます。

 

 

そんで、まぁお約束通りバットマンにボコボコにされるんですが

ここでなんとデッドショットは

「自分は頼まれただけだ、殺さないでくれ」

と命乞いをします!

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三下の雑魚敵っぽいから文句言ってるんじゃありませんよ!

過去のこちらの記事を読んで頂ければ分かるのですが、

デッドショットさんには

自殺願望があります!

命乞いなんかするわけないんです!(´;ω;`)

むしろ「おっしゃぁぁ上等だ!はよ殺さんかい」ってなもんですよ、この状況。

 

彼は遠いところにいるターゲットは百発百中で殺せるのに一番近い人間、己は殺せない。

他人が自分を撃ってくれることを待っているけど自分から撃たれる勇気はない。

そんな小心者なんです。

小心者であると同時に華麗な死を遂げたいという注目願望者でもあるんじゃないでしょうか。きっと彼は頭を銃弾で撃ち抜かれるなんて地味な死に方はしたくないんだと思います。己の命を軽んじているくせに敵の中に特攻するような真似はせず何百mも離れた安全地帯から獲物を狙う。そういう複雑な男です。

ターゲットを撃つとき狙撃場所に薬莢を残すのも、

まっすぐ狙撃せずにちょっと遊びを加えるのも、

スリルを味わうと同時に誰かに見つけて欲しい、殺して欲しいという願望のあらわれ。

 

バットマンヴィランの面白いところはフリークな見た目に対してすごく人間味あふれる精神分析があるところです。デッドショットがこのお話に描かれるような狙撃のうまい調子の良いだけの男だったら、私は彼を好きになっていません。

申し訳ないけどこの作品のスタッフはちゃんとバットマンを読んでるのかね?

このアニメ限定の設定だとしても、許せません。

この作品のせいでノーランバッツシリーズにデッドショットが出ないなんてことがあったらどう責任をとってくれるのでしょう?(ダークナイトライジング」でベインの隣にいた男がデッドショットという噂はありますが。)

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更に驚き入ったことはゴッサムナイト」のレビューは数あれど、このことについて触れている記事はほとんどないという点!世間の人は思ったよりバットマンを読んでないんですねorz

この記事が少しでもデッドショットというヴィラン知名度に貢献できればいいのですが。

 

 

あ、レビューしなかった残りの2話について補足

「フィールドテスト」

(制作 - Production I.G / 監督 - 東出太

シナリオがどうこう言う前に絵がBLアニメくさくて無理www

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↑これがブルース・ウェインですよ!?

クリスチャン・ベールじゃなければステレオタイプのブルースにも似ても似つかない

この絵を見てこれを思い出したw↓

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あ、私の名誉のために言っておきますが、

私はこのゲームプレイしたことありませんから!

むしろBLゲームとかやったことないです、これは冗談抜きで。

腐女子じゃないとは言いませんが私は基本的にオリジナルには反応しません、あくまで二次創作限定なのですww

 

シナリオも特筆すべき点はないので割愛。

 

もう一話

「克服できない痛み」

(制作 - STUDIO 4℃ / 監督 - 窪岡俊之

これは「フィールドテスト」とは正反対で絵は最高!

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ちょっとアジア人に見えるけど、十分クリスチャン・ベールで通じます、頬骨のあたりとか。ただしこれはシナリオがイマイチ。

ゴッサムの地下でバットマンが敵から受けた弾丸に苦しみながら彷徨う、耐えられない痛みにインドでの痛みを感じなくする修行を回想するというお話です。

多分ブルースがゴッサムを出てラーズ・アル・グール影の軍団に身を寄せるまでの間の出来事だと思われます。その修行の師が美人のインド人の女性なのですが、正直彼女が描きたかっただけじゃないの?って内容。

オチも、それまで痛みに悶えていたバットマンが排水口の中から大量の銃器を発見(よくわかりませんがギャングの武器の隠し場所だったのかな?)して痛みを忘れる。迎えに来たアルフレッド(執事を迎えに来させるヒーローってwww)が彼を地上に引っ張りあげようとしますがバットマンは発見した大量の銃器を抱えて「今はまだ無理だ」と呟いたところで終了。

結局のところ痛みを克服するのは肉体的な修行ではなく精神的な意志の強さだったということなんでしょうが、絵とセリフの雰囲気で誤魔化してませんか?もったいぶった挙句案外中身はカスカスというか。

オチを「あとは視聴者が自由に考えてください」っ て投げるお話は数多くあります。あれ製作者にとっては楽なんだろうけど(愛情を注いだキャラクターの運命をたった一つに絞るなんて難しいだろうし)、個人 的には終わり方ってすごく大事だからそこを投げちゃいけないと思うんです、読者に想像の余地を残すのは物語の過程やサブキャラのオチだけにしないとすごく モヤモヤします(><)

 

まぁこの話のオチを「で?っていう」と感じるか「雰囲気ある!かっこいい!」って思うかは人それぞれですね、重ねて言いますが絵は申し分ないですから。

 

 

では最後に「闇の中で」に登場したキラークロックさんをどうぞw

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